あんこ と おはぎ

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生きている実感と孤独感

自傷行為について】

自傷行為は、一般的に知られているものだと
リストカットや、大量服薬なんかがあります。


今日はこの二つの事についてではなくて、一般的な人が「自傷行為」と認識していないけど、ある一定を越えると自傷行為になる事柄について書きたいと思います。


割と、自傷行為だと認識されていないのが、「過食症」と「拒食症」が代表的かもしれません。


どちらも病気としては認識されていますが、病気を体験した私としては、完全な病気となるまでに達しなくても、メンタルを病んで、過食症になり気味の人や、拒食症になり気味の人が結構います。


私も、完全なる過食症になる前に過食症気味に食べてしまう現象が起きて、2年ほどで45キロ増えてしまいました。
それでも、過食に対する何かしらの治療はとくにはありませんでした。


食欲を抑えるケミカルな薬は存在はしているものの、とてつもなく効力が強く、食欲を抑えはしますが、副作用として幻覚や幻聴症状が出てしまうらしくて、主治医が出さなかったのでした。


また、拒食の場合は周りも心配はしますが、過食はどちらかといえば、周りの心配もなく、どちらかと言えばなんか貶されたり、諭されたり、マイナスな感情を相手に抱かせてしまうようで、、、


私自身は母親が妹に「あの人の餌を買わなきゃいけないの、本当やんなる。。。ぶくぶく太るし、お金の無駄ね」と言っているのを聞いてしまってからものすごく悲しく感じて辞めたいけど、食べるのを止められなくて、もっと苦しくなる上に自己嫌悪に陥るという負のループがとても重くのしかかって抜け出すのが大変だった苦い思い出があります。


食べることは元々好きでしたし、作ることも好きでした。
なので、お金がなくても何かしら家にある材料で作れるものを考えて作って食べてしまっていました。


しかし、過食になって食べる食事はどんなに食べることが好きな人間でも、段々と苦痛になって、食べたくないのに、食べないと脳みそが満足せず、孤独感がジワジワと黒い影のように周りを取り囲み、怖くて怖くて、そこから逃げるために何かを食べて、安心感に包まれてやっと眠れる。。。


そんな繰り返しから、脳みその中で
「食べる→安心して眠れる」の図が出来てしまって、食べても眠れないと、脳みそが「食べる量が足りないんだ!」と勘違いして、内臓的には限界なのに、食べないと耐えられない状況に陥って食べ過ぎてしまい、あまりにも限界を越えると内臓が悲鳴をあげて嘔吐してしまうんですね。


なので、ある程度、胃腸が丈夫な人は「もったいない」という思いもあるので、なるべく吐かないようにするため、どんどん太ってしまう。。。


お腹はいっぱいのはずで、苦しいのに脳みそではブラックホールのように空腹を感じて、とにかく食べまくる。。。


それは、見ていてもいい気持ちはしないでしょうが、食べている本人はもっと辛いです。
自分が大好きな事をしているはずなのに、苦痛な上に、食べても食べても満たされないのです。


拒食症はその反対で食べられなくなる事です。
太り気味の人や、過食気味だった人が食べられなくなると、周りは「痩せるからいいんじゃない?健康にもなるだろうし」とこれまた余り心配されませんが、過食も拒食も進みぎると、どちらも骨と皮だけみたいな体型になり、生命の維持が難しくなるので、食欲が異常になった場合には周りは割と深刻に考えてあげたほうがいいかもしれません。


過食は、症状が進みすぎると、食べる量がおかしくなるので、内臓が対応できなくなって、最終的には必ず食べた後に嘔吐するようになってしまいます。
なので、過食症があまりに進みすぎた人は、拒食症の人と同じように、ガリガリになってしまいます。


拒食症の人は、食べる事そのものが怖くて食べられても裏でこっそり吐いている事も多々あります。


「吐く」という行為は、全身にものすごく力が入って、涙も鼻水も出るし、何より胃酸で歯が溶け出してしまいます。
そして、食道も酸にやられるので、最終的には別の病気も併発してしまいます。


歯は確実にボロボロになりますし、吐けば栄養が吸収されないと思って吐いて安心する患者さんはおおいですが、実は食べ物は口に含んだ時点で口の中の粘膜が吸収してしまっているので、勿論最終的に全部食べるのとは同じように太らなくても、本人が望んでいるようなプラマイゼロには決してなりません。


どちらにしても、行きすぎた行為は自分を傷めつけているのと変わりがないのです。


私はリストカッターでも、プチオーバードーズ者でもないので、それをした時の感じはあまりわかりませんが、どちらの自傷行為も経験している友人はいます。
リストカッターの人達が口を揃えて言うのは、何処かを切って血を見ると「自分は生きているんだなぁ」と生きている自分を感じるために切るのだと言っていました。


中には本気で死を考えて切る人も居るみたいですが、殆どのリストカッターの子達は本気で生き死に云々というよりかは、自分が生きているという事実の確認のために切るようです。


プチオーバードーズの人はお薬で頭がボンヤリとして、朦朧とした感覚を楽しみたい部分もあるようです。
(あくまでも個人的な感想です)


例えば人によって行きすぎた行為は様々な形を持って現れます。


それは、出会い系を利用して毎日知らない人と肉体関係を持つ人もいれば、身体中にボディピアスを開けまくる人もいれば、身体中に刺青をする人もいれば、異常な程に手を洗わないと気が済まなかったり。。。


潔癖症も行き過ぎるとそれは自分を傷つける行為になるのです。


わりとその事に気付かずに
あの子はフシダラだ
とか
ゴツい趣味だよね
とか
綺麗好きなのかな?
とか
割とそれぞれの行動が
自傷行為」とは受け取られずに見過ごされている事がおおいように思います。


毎晩取っ替え引っ替え、いろんな異性と肉体関係を持つ女の子に話を聞いたときは
「そうでもしないと誰かに必要とされている感じがしなくて、死にたくなるから」
という答えが返ってきました。


ボディピアスや、行きすぎた刺青やタトゥーを入れる人は、もうなんだか入れないと気が狂いそうになるから。。
という答えでした。


潔癖が行きすぎた子は周りが止めても、手が乾燥しすぎてあかぎれが切れて、流血しまくっても、何かしら汚い気がして手を洗うのをもう自分では止められないと言ってました。


ある程度元々の性格の傾向もあるとは思いますが、やはり周りから見ても行きすぎた食欲や、性行為、潔癖行動なんかは、何かしら、どこかしら心や体がSOSを出している事がおおいので、そういう人が側にいたら、助けてあげて欲しいのです。


私の場合はその時に飲んでいた睡眠薬があっておらず、そして、病気の原因はわかったけど、そこからどう動いていけばいいのか?
自分の家族をどう諦めたらいいのか?
その道筋が見えにくくなっていたのと、カウンセラーさんの産休や、主治医のクリニック移動による一時的な休業が重なって、余計に眠れないと焦る症状が進みすぎて、100キロ近くまで体重が膨れ上がり、しまいには食べた後に耐えられずに吐いてしまうようになったので、一時的に病院を転院して、まず、睡眠薬を変えて、少し強いものにして、強制的に眠れるようになってからは、夜の孤独感に襲われる事が少なくなったので、自動的に夜中に過食してしまう事が減ってきて、自然に15キロほど3ヶ月で体重が減りました。


そこから、カウセリングを受けたり、しつつ、少しずつ浮上して過度な過食行動には今の所至ってはいません。


女性なので、生理前などに少し食欲がおかしくなったり、ストレスを強く感じるとたくさん食べたりはしますが、過去のように食べたくないのに食べてしまう。
や 吐くほど食べてしまう。
という事はなくなりました。


わかりやすいリストカットや、プチ大量服薬ではない、行きすぎた行動を取る人は何かしらの自傷行為を本人も自傷行為と気付かずにしてしまっている事が多いので、もし、そういう人が側にいたら、その行動自体が自傷行為ということ、可能であればちゃんとした病院にかかることなどを勧めるか、ご自身の余裕があれば、たわいもない話をするなど、、、自分が振り回されない程度に側にいてあげることが大切ではないかと思います。


自傷行為をするということは、少なくとも何かしらの寂しさや、誰かに見てもらいたい気持ちや、計り知れない孤独感に押し潰されまいとして、その行為をしてしまっていることが殆どです。


その人が全く自傷行為をしなくなるように周りの人がどんなに頑張っても医療機関の人間でないと、手助けをしているつもりの人が振り回されたり、実はいらない親切で余計に自傷行為を促してしまう事もあるので、何もできない状態であれば、ただ、側にいてあげるだけでもいいと思います。
「誰もいない世界」ではなくて「誰かはいてくれる世界」という認識だけでもとてつもなくありごたく、思えるものです。


そして、最後にはやはり本人が自分の自傷行為を認めた上で、本気で病気そのものや、自傷行為と向き合わなければ中々その状態からは抜け出せないので、その事を念頭に置いて周りも側にいる必要があると思います。


どちらにしても、自傷行為をする本人も、その周りの人も、お互いにハッピーで、適切な距離感で付き合っていけるといいですね。