あんこ と おはぎ

雑学的なことや日常の悲喜こもごもなど

頼れるのであれば

【頼る事と依存の違い】


メンタルの病を患っている人に多いのが、私も含めですが、「周りに頼る事を悪と捉えている」事が多いことです。


頼る事をあまり良くないと思う余り、自分で抱え込み過ぎて、余計に具合が悪くなってしまう人が少なくありません。


ここで、大切なのは「頼る」のと「依存」を取り違えてしまっている人が多いという事です。


「頼る」というのは、自分では持ちきれない物を手助けしてもらって目的地まで一緒に運んでもらう事。


「依存」というのは、自分では何も持たずに全てを助けてくれる人に委ねてしまう事。


この違いを踏まえた上で、誰かに自分が持ちきれない物を手助けしてもらう事は、悪いことでも、弱いことでもありません。


そもそも、病気になった事自体が自分で自分に無理をさせた事で病気になったので、その病気を治す際に、医療機関や、行政や、友人なんかの力を借りながら自分で病と闘う事が大切です。


これは、病だけに限らず、家庭のお母さんや、仕事場の人でも同じです。
確かに、誰かに何かを頼むというのは、思い通りにいかないこともあったり、進行状況が自分でやるよりも遅れてしまったりする事もありますが、それ以上に、全部を自分で背負い込んで、機嫌悪く、家庭や、仕事場で不機嫌を撒き散らして、八つ当たりされてしまうと、同じ空間にいる人達も居心地が悪くなり、悪くならなくていい人間関係まで悪くなってしまう事が度々あります。


何かを誰かに頼んで思った通りに進まなかった場合は、その作業自体に依頼した人が慣れていない場合もありますが、伝え方が上手にできていなかった場合も多々あります。


そして、もし、思い通りに相手が依頼した事柄を遂行してくれた場合は相手への感謝と共に、自分も相手に分かるようにきちんと物事を伝えられたという事実も残ります。


そして、頼んでいた事によってできた余裕で、自分も自分や周りの人への気配りもできたり、心に余裕が持てたりするのです。


心に余裕が持てる事によって、病気と自分を改めて見直す事ができたり、これからの仕事の進行の仕方や、周りの人への思いやりや、気配りの掛け方なんかも見つめ直したり、心掛けられたりもします。


いろんなことを決断したり、選んだり、決めたりするのはもちろん自分自身であって、他の誰でもありません。


でも、その途中過程で、誰かの力を借りて、新しい考え方や、意見や、心の余裕を取り入れるのはとても大切なことです。
その途中経過を経て、最終的に自分でいろんなことを決めていくことが大切なんだと思います。


「依存」はこれとは全く別です。
自分で何かを決めたり、選んだりもせずに、全てを誰かに委ねてしまう事です。


それでは、何一つ身につかないばかりか、自分自身でその結果を選んだのにも関わらず、自分で選んだ気にならないため、他人のせいにしがちで、一歩も同じ位置から進めていない事になります。


同じ10年の時間で、「頼る」と「依存」を間違えて進んでいると、片方はきちんと「進んで」いるのにもう片方は10年前と全く同じ位置から一歩も進んでいない事になります。


それであれば、発症時期が同じであっても、見えている世界が全く別になるわけです。


そして、悲しい事に「依存」している人はその事自体にも気づかずに文句だけを言ってしまっている場合があります。


その事に気をつけて、適度に周りに頼って、不機嫌を周りに撒き散らさないように、そして、自分の受け入れられる容量以上の物を抱え込んで余計に苦しい立場にならないように、過ごしていけると、少しずつ居心地の良い状況に好転していけるのではないかと、私は思っています。