あんこ と おはぎ

雑学的なことや日常の悲喜こもごもなど

変化とは

【変わること、変えられること】

メンタルを病んだ際に家族を含む周りの人々に自分を「わかって欲しい」と思い、周りに色んなアピールをして、ガムシャラに走ることが誰しもあると思います。


私も病気なりたての頃は家族に自分の孤独感や、気持ちを分かってもらいたくてとにかく、一生懸命アピールをしてきましたが、親にはその親の歩んできた人生のプライドや自信が実はかなりあります。
そして、親という生き物は、子供を生み育てたという事実によって、無意識に自信を持っている生き物です。


病気になった自分が、家族との関わり方や、親との関係性で病気になったとアピールしたらどうでしょう?


それは、患者本人にとってはものすごく必死な事であっても、親からしてみれば今までの親の人生を丸ごと否定してしまう事と変わらないという事になります。


だからこそ、認めたくないであろうし、気合いで治って欲しいとか、仕事が原因だろうから、時間が経てば治ると思っている親御さんもたくさんいらっしゃいます。


勿論、仕事が忙しすぎて、精神を病んでしまう方もいらっしゃるので、一概に時間が解決する説が否定できるわけではありせん。


ただ、親御さんとの関係性が原因での病気発症の際には、治療にはそれなりに年単位で時間がかかりますし、おそらく親御さんが想定している時間をはるかに超えた時間が経たないと治らない事の方が多いのが事実です。


そんな果てしなく長い治療の時間の大部分を変わる事のない相手にエネルギーを使うよりも、自分の意思で買われるのは自分だけなので、何もかもを変えてしまう必要はありませんが、ある程度生きていきやすいように自分の考え方や、立ち位置や、はたまた、親との物理的な距離など、変えられそうなところはどんどん変えて行くと、思いのほか、具体的な治療が早く進む場合があります。


私は経験上、発症してから約五年近くは家族が何とかして変わってくれないかと働きかけていました。
それはもう、ガムシャラに。。。
しまいには主治医や、カウンセラーさんが「もう、やめましょう。残念ながら貴方の家族は変わりません」と宣言されるほどに頑張りましたが、やはり家族は変わりませんでした。
精神的にも更にボロボロになってしまい、やっと五年近く経って、周りからのその言葉で何とか自分の家族に対する気持ちを諦めて、そこから自分自身の考え方や、家族の中の立ち位置や、物理的な距離などを変えて、だいぶ治療がスムーズになったり、カウンセリングなどで何をテーマに話したら良いのか?などがまとまってきて、毎回の治療でかなり手ごたえを感じるようになりました。


ある程度、病の期間が進んでいるけれど、全く真っ暗闇の中で何一つ進んでいない。。。
と感じて苦しい症状に悩まされている方は、もしかしたら、ほんの少し、ほんの1ミリ考え方をズラすだけで、違った世界が目の前に広がって少しずつ症状から解放されていくかもしれません。


お医者さんも、カウンセラーさんも協力はしてくれますし、本当に心強い味方で居てくれますが、何より病気を最終的に治すのは実は自分自身。。ただ1人だけなのです。


とても辛くて苦しい作業ではありますが、その後の人生に広がる景色は何者にも代え難い素敵な風景が広がります。


何よりも、長年悩まされた辛い不眠症から解放されて、夜になったら自然と眠くなるという感覚を病気になってから13年後にやっと感じられた時には本当に感動しました。


そんな、風景を是非、今病で苦しんでいる人にも味わって欲しいと、私は切に願います。